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吉良吉影は静かに暮らしたい

2024
04,27

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2021
08,03
ぶっちゃけると「貞子 vs 伽椰子」がアマプラで100円レンタルしていたので、その予習の為に見たんだけど、ちゃんと面白かった。さすが、一世風靡しただけのことはある。

原作の小説版では高山には不思議な力が無いらしいのでもっとビデオの検証シーンに尺が割かれていたらしい。他にも浅川に該当する人物が男だったりして、原作から変えている部分はかなりある。個人的に小説などの原作を忠実に映画に落とし込むのは時間的にも絶対不可能なので、どこがその作品の「核」なのかを明確に見極め、その「核」を際立たせるためならば他全てを変えても良いと考えているので、このアレンジは成功だったように思う。

では、リングの「核」はなんなのか。個人的には「呪いの解き方」だったと思う。ビデオの解析を進め、貞子の存在まで迫った二人が井戸から死体を助け出して浅川は殺されることは無かった。だが高山は殺された。貞子の死体を供養すれば助かるというのはただの「予測」にすぎず、本当は「ビデオのダビングによって他人に呪いを擦り付ける」しかない。このドライさがリングの「核」だと思う。ラスト、浅川が自分の息子を助けるために父親にダビングしたビデオを見せに行こうとするシーンは人の「業」を煮詰めたようで本当に恐ろしい。それまで浅川が息子の為に必死に頑張ってきた描写が全て裏返り、息子が助かるためなら父親を犠牲にするだろうなという言い知れぬ恐怖感がじわりと残る。

ホラーものはある意味で「スタンドバトル」に近い構成をしていると思う。呪い(スタンド攻撃)が一体どういう原理で発動しているのか、それを解き明かして攻略(解放)していく。ここを理解していないダメなホラーはホラーであることに「甘え」て呪いの原理部分をあやふやにしてしまう。それこそ「貞子の死体を供養すれば助かる気がする」というだけで本当に供養できてしまったりする。

もはや有名になり過ぎてしまった貞子が画面から出てくるシーンも、映画館やビデオ(当時)で見ていた観客たちの「まあ、そうは言っても画面の中のことだから」という無意識のうちに作り出している「壁」を壊すためのメタ的な描写の意味もあったんだろう。初見であの演出を見たらやっぱり恐ろしかったんじゃないかなと思う。

中盤、バケツ二個だけで貞子の井戸の水をくみ上げようとするシーンで「出来らぁっ!」「えっ バケツ二個で井戸の水を!?」というスーパー食いしん坊が頭をよぎり、水一杯のバケツを何度も引き上げる松嶋菜々子の膂力を見て「もうお前が伽椰子と戦えばいいのでは…」と心配していたけど、きっちりまとめてくれたので良かった。

というか、リング公開がもう20年も前というのが一番のホラーかもしれない。
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