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吉良吉影は静かに暮らしたい

2024
04,28

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2021
07,12
いまさら!?!?!?という言葉すら生ぬるい、いまさら感。

実は、「もののけ姫」以降のジブリも一本も見ていないのでどんどん消化していきたかったんだけど、ジブリは日本でネット配信をしておらず、かと言ってブツ切り&ネタバレのオンパレードである金ローで見る気にもならず…(金ローの存在を否定する気はまるでないけど、あれは「二度目以降」をみんなで見る番組かなと思っている)ついにこの度重い腰を上げてTSUTAYAレンタル利用と相成ったのである。

ジブリクラスになると、やっぱり見ていなくても断片的な情報は入っていて、ラストの「シシ神=ダイダラボッチの首が取れる」という事だけは知っていた。あとはハウルが緑色のスライムになるとか…なんかそういう画的にインパクトのあるシーンは漏れやすいんだろう。

そんな「もののけ姫」、すごくよかった。

この映画の特筆すべきはアシタカだと思う。アシタカ、めっちゃいい男。冒頭、タタリ神と化したナゴの守と戦うシーン、里(と女性たち)を守りその代償として「呪い」を受けてしまう。弓の達人でカッコよく戦い、女性を守るのもカッコいい。ごく普通に暮らしていただけなのに、理不尽に「呪い」を押し付けられても尚「タタリ神に弓を向けた時点で覚悟は出来ていた」と言い切る態度。全てがカッコイイ。旅に出る動機「自分の呪いを解く」、これ以上の強い動機があるだろうか。どうしたってアシタカを応援したくなる。

例えば引き合いに出しちゃって申し訳ないんだけど初期のパズーにはここまでの魅力はない。もちろん後半になればムスカとやりあったり色々と魅力的なシーンも出てくるものの、開始10分、ドーラの息子と親方が筋肉対決をしているときにこれだけの魅力を醸し出せていたかと言えば流石に厳しい。

この差はラピュタの物語の動機が「空から降ってきた美少女を守る」というシチュエーションの力によって成り立っているのに対して、もののけ姫は「アシタカに死んでほしくない」というアシタカに魅力が無いと成り立たない事に起因しているのだと思う。アシタカに魅力が無ければ「呪いとか別にどうでもいい」となってしまうからだ。

アシタカのキャラ造形は本当にすごい。気高さと優しさの二面性がすさまじく高いレベルで融合している。正統派主人公と言っても良いのに、ここまで完成された主人公はなかなかいない。イメージ的にはジョナサン・ジョースターとか炭治郎に近い印象を受ける。なんか捻った設定を出さなくても、正統派の純度を高めればここまで魅力的な主人公を作れるんだなあと感心する。

旅の途中で助けるのが「おっさん二人」というのもアシタカの聖人具合をより高めている。画面的にもどうなんだという感じなのだが、美少女でも子供でもない「おっさん二人」を懸命に助けるからこそ、アシタカの魅力がより際立つ。

さらにエボシ御前から石火矢の説明を聞いていた時、当然途中で視聴者と同じくアシタカの呪いの原因になったタタラ神がエボシ御前せいで生まれた事に気が付くんだけど、話の途中で大声をあげるような三流の行いはせずに最後まで黙って話を聞いたうえで、あくまで理知的にエボシ御前との会話を続けるアシタカ。すごい、すごすぎる。「怒って当然」のシチュエーションに当たってもなお理性を保ち続けるその姿勢は別に自分とは無関係の場所に立った「怒り」にすらも乗っかろうとする浅ましい現代人に警鐘をならしているようだ。(そんなことはない)

アシタカの造形は凄まじいと思うけど、「もののけ姫」というタイトルのわりにサンはこう…別に…という感じがする。アシタカが理知的なので、それの対比で直情的というか野性的になったのかな…くらいの感覚。キャラの魅力で言えばエボシ御前の方がある気がする。

里の者たちに慕われるエボシ御前は開発の為に山を崩さなければならない、その山を守るサンたちという構図はどちらにも理があって非常に良かった。ただ、その分「不老不死の為にシシ神の首を狙う」という第三勢力が現れる展開は映画的なケリをつけるためなのかな…という感が否めなかったかなあ。
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