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吉良吉影は静かに暮らしたい

2024
05,05

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2021
06,26
ねえ…バクシーシ(めぐんでくれよォ)

見るかどうかかなり悩んだ末、やっぱり見ない事には始まらないだろうと思って見てみた。コミックの実写版は初めて見るので「コミックの実写」はどんな感じなのか?それを確認しておきたかったという部分が大きい。ジョジョに関しては、ハンドルネームの「よしかげ」の由来が「吉良吉影」であるくらい思い入れはある。自分内ベストコミックTOP3には間違いなく入ってくるだろう。

なので今回は「原作ファンが実写版を見た」場合になるだろう。「原作を知らないで実写版を見る」もやってみたい気もするけど、この作品を見る限りまあ、やらんでいいかな…という気持ちの方が強い。

この作品を見るにあたり、自分が一体「ジョジョ」のどこに魅力を感じているのか(それがちゃんと表現されているか?)を整理してみたかったんだけど今一つ言語化が出来なかった。でも、見終わった後だとすごく良く分かる。実写内にそれがめちゃくちゃ「足りてない」からだ。

まずなによりも一番マズいのが「なんで4部からなのか?」という部分である。いきなり4部から始まるもんだから承太郎はなんか急に出てきたエラそうな男になり、仗助との関係性も一回言葉で説明されただけでさっぱり良く分からず、スタンドの説明もざっとしかされないので良く分からず…と何も良い事がない。

言うまでもなく、「4部からはじめる」事自体は別にいい。ただ、4部からはじめるという「覚悟」を決めたのならそれまでの過程を全てすっとばして分かり難くなるデメリットをカバーする程のメリットを提示できなければならない。これでは「4部は日本人が主人公だからキャストにイケメンつかえるじゃん」以上の理由が何も見えてこない。

この流れでの最大のNGは億泰のおやじ。4部から始めたものだから当然DIOの下りはカットされ、結果「なんかバチがあたってこうなりました」という訳のわからない流れになっている。あまりにもひどい。そうじゃないんだよ。中途半端に原作の流れを引っ張ってくるからこういう訳のわからない事になる。

DIOの説明を放棄するのなら億泰のおやじがこうなった理由を再構成する必要があって、それはたぶん作品全体のバランスを崩すことになるんだけど、それはもう当然の労力として受け入れなければならない。原作ジョジョが積み重ねてきた過去100年分を一気に清算するのだから労力が掛かって当たり前。命を圧縮して金を得る鉄骨綱渡りをやらなければならないのだ。

とにかく実写版は「積み重ね」がない。原作のシーンやシチュエーションを超高速で摘んで過程を凄まじい勢いで「こなして」行く。なんのタメも無く原作にあったはずのセリフが比較にならない程に重みも無く空しく響いていく。「原作の名場面、実写でやってみた」以上の意味を感じられない。

結局、億泰のおやじと同じなんだけど、ペース的に原作と同じことが出来るはずがないのは分かり切ってるので「生かすところ」「切る所」を明確にしなければならない。原作の「ここ」という部分を生かすために他は全部変える、その位の覚悟がなければ実写にするべきではないのだ。

こんなのを公開してしまって、初めて映画でジョジョに触れる人に「ジョジョってこういう感じなんだ」と思われてるのかと思うと本当に我慢がならない。

終盤を見ると、続編があるのなら音石をカットして吉良に行こうとしてるんだろうけど、吉良はこんな自分に危害が及ばないようなシーンで行動を起こす様な男では決してないんだけど、まあ、もうそんな事すら些細なことである。時間が無い割に山岸由花子を無理やり入れたのも登場人物が男性だけになるからだろう。まあ、もう細かく考えれば考えるほど辛くなってくるのでこの辺でやめる。

一つだけ。バットカンパニーを撃破した下りで治したミサイルを撃墜できなかった理由が原作では「間に合わなかったから」だったのが、「命令実行中は完了するまで別の命令を実行する事が出来ない」に変わっていたのはかなり「ジョジョ」っぽかった。ああいう「ここでこの設定生きるのか」という気付きはジョジョの魅力だからね。まあ、そこだけかな。
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