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吉良吉影は静かに暮らしたい

2019
01,02
2019年のはじまりはじまり。

去年は自分の中で「映画元年」と位置づけ、年間100本の映画を見ることを目標にしてみたのだけど、結局「42本」で幕を閉じてしまった。目標の半分以下なのは残念だけど、そもそも、一昨年は1本くらいしか見ていないので、40倍も見たことになる。初年度としてはまあまあ、頑張った方ではないだろうか。

今年も年間100本を目標に見ていきたいと思う。あと、去年は42本中邦画が「カメラを止めるな!」1本という偏りぶりだったので、邦画の履修も進めていきたい。クロサワ映画や……あと、「漫画実写モノ」も…一本くらい見てみようかな…という気持ちである。

そんな中で最初の一本目に選ばれたのが「リメンバー・ミー」だ。

いや~、これは本当に素晴らしかった…。他作品を上げるのもなんだけど、「シュガー・ラッシュ:オンライン」は本当になんだったんだ…と思う位のシナリオの練り具合。やっぱりピクサーのシナリオと言えばこうだよな…という仕上がり具合だった。

まず、冒頭なんだよ。家族の紹介、「死者の日」、ミゲルの夢、音楽禁止の掟…などなど、基本設定をボンボン投げてくるものの、それらが全て紐づけられているのでスルスルと頭に入ってくる。「先祖に音楽を取り家族を捨てた男が居た→そのため音楽は禁止→その家族が帰ってくる「死者の日」がある→ミゲルは禁止されているものの、音楽がやりたい。そのお披露目を「死者の日」のお祭りでやる」という具合だ。最重要設定であるママ・ココのボケの設定もここで説明される。

ママ・ココのボケは「ずーっと昔の先祖」の説明を合わせて「まあ、歳だからね…」という理解の裏に「死者の国」のルール、すなわち「生者の国(現世)で覚えている人間がいなくなると死者の国からも消えてしまう」ルールをすでに匂わせているのだ。すごすぎるよな。この自然な伏線がピクサーのシナリオだ。

ヘクターの正体隠蔽も完璧だ。最初、ミゲルの先祖の正体は写真を破られているため「不明」という事になっているが、そこかしこで伝説のミュージシャン「デラクルス」の話が出てくる。見てる側も「デラクルス」の事が気になってくるし、当然「先祖 = デラクルス」の図式が浮かんだところで、本編中でもそのように「ネタバラシ」されて話が展開していく。これが、最初から「先祖 = デラクルス」が提示されていたとしたら、見てる側はその図式そのものに疑いをかけるようになり、後に出てくるヘクターに対して「先祖 = ヘクター」という図式をもっと早く疑うようになったと思う。

しかし、「先祖 = デラクルス」は見てる側としても「そうだと思った」と一度「導いた答え」として固定され、なかなか崩すことが出来ない。しかもこれのメリットは「先祖 = デラクルス」の図式はミゲルの完全な思い込みであり、劇中のどこにもそんな証拠がないままに確定事項のようにストーリーを進めることが出来てしまう。そのため、「先祖 = ヘクター」の「真相」が発覚した後にもまったく矛盾が発生しないのである。

デラクルスが正体を現すことで、それまで詰まっていた全ての要素が好転するのもすごい。ヘクターは家族を捨てたわけではなく、戻ろうとした所でデラクルスに殺害されてしまった。その真相を知りイメルダは音楽を憎むのをやめ、ミゲルに音楽禁止を課すことなく生者の国への帰還を許し「リメンバー・ミー」によってママ・ココの記憶がよみがえり、ヘクターは消滅を免れる。ママ・ココの記憶が薄れていることと音楽禁止の設定がちゃんと結びついているのである。

そしてだ、そしてだよ!!!!そのママ・ココの記憶が復活したことで現世の人間たち(おそらくエレナ)にもヘクターの記憶が蘇った。いや、蘇ったというよりもヘクターの存在がタブーではなくなった。これによって、それまではママ・ココのみの記憶で支えられていた死者の国でのヘクターの存在が、ママ・ココが死んでしまった後でも維持されるようになり、ママ・ココとヘクター、イメルダが死者の国で再会することが出来たのだ。

現世ではデラクルスによって阻まれてしまった親子の再会がようやく実現したのだ。三人で歩くシーンはとても感想的だった。「リメンバー・ミー」とは、ただ心に留めておくだけではない。永遠に別れ離れになってしまう悲しい曲ではなく「いつか再会するときのために覚えておいてね」という意味なのだ。

少なくとも、私はそう解釈している。
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