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吉良吉影は静かに暮らしたい

2018
04,08
「2」があることは「1」を見る前から知っていたのだけど、「1」があまりにも綺麗に過不足なく終わったように思っていたので、正直「2」は何をやるんだろう…と思ってた。しかし、「2」を見終わってみるとなるほど、そうなるかという感じだった。積み残し案件の消化、そして新しい「課題」の提示である。

積み残し案件は二つ。ヒックのバイキング頭領跡継ぎ問題。そして母親の問題。

前作の経験から、ドラゴンへの偏見と一緒に頑固な一面もかなり改善されたストイックは、攻守ともにほぼ完全な頭領となっており、村は父親に任せて自分は気ままな冒険に出かけてしまおうヒックのという気持ちも分かる。自分は頭領には向いてない、ストイックに任せることで村は完全に回っているのだからそれでいいじゃないかという事だ。

たしかにヒックの考えは間違ってはいない。しかしそれは現状維持が前提であって、ストイックを「失う」事を考慮していなかった。

ストイックの存在はバーグ島にとってあまりにも大きな柱であったのでそれゆえに「1」の時点で退場するものと思っていた。ストイックが居ると緊張感が欲しい場面であっても「ストイックがいるなら大丈夫だろう…」という安心感が生まれてしまうからだ。

もう一つの積み残しである「母親」との和解を経て、ストイックの役割は完全に終わったという事なのだと思う。間接的とはいえ、トゥースにその引き金を引かせるというのはあまりにも衝撃的な場面だった。

20年間息子をほっぽってドラゴンと一緒に暮らしていた母親の設定はかなり斬新だ。なんというか、これはどちらかというと父親がやりそうな役割なのだけれど、設定のめぐり合わせでこういう形になったのだと思う。雲の中から仮面をかぶったキャラが仁王立ちで出てきて中身が母親だったのだからヒックの混乱ぐあいも頷ける。

母親とはドラゴンの話題を通じて意気投合していたが、この20年間の空白はやはりそこまで簡単に埋まるものとは思えないので、「3」ではもう少し掘り下げがあると思う。

そして、「新しい課題」だ。

話の筋が一本道で明確だった前作とは違い、今作はかなりストーリー展開が激しい。ドラゴン狩りを行う連中の存在、そのドラゴン狩りからさらにドラゴンを盗む第三勢力の存在。そしてヒックたち。この三勢力が形を変えながら複雑に絡み合う。

前作はドラゴンの事を一方的に敵対視していたヒックを含むバイキングたちが、相手(ドラゴン)にも心があり、知性があり、そして村を襲わざるを得ない理由があることを知り、敵対を止めて共存の道を進む話だった。

前回のドラゴンとの一件を経てヒックは種族の違うドラゴンとすら和解出来たのだから同じ人間である今作のラスボス、ドラゴとも話し合いによる解決が図れると一定の自信を持っていた。

しかし、お互いを知ることによって必ず相互理解が出来ると信じていたヒックにとって今作は「敗北」の物語だったと思う。敵であるドラゴを見事追い払い、ヒックは頭領の座に就き、トゥースもまたドラゴンのリーダーとなった。結果だけを見ると一見、「勝利」と言ってもいい状態に見えるかもしれないが「ドラゴとの相互理解」という意味では完全に失敗だったといえよう。

黒い巨大なドラゴンと共に海に消えたドラゴが再び力をためてバーク島に襲い掛かってくることは必須だ。「1」とは違い、続編の「3」が前提である構成なのだろう。

ストイックも母親も立場は違えど「自分と考えの違う人間はいる」という忠告をヒックに行っている。今回の段階ではまさにその忠告が的中した。

「どんな人間・種族とでも相互理解出来るはず」という「1」で得た「理想」を今回砕かれたヒック。それでも他人との付き合いは行っていかなければならない。自分と考えが違う人間が現れた時「相互理解」とは違う別の回答を出さなければならない。

ドラゴとの「相互理解」は難しいだろう。それが叶うのならば「3」へつなげる必要はない。新しい他人との繋がりの形が必要だ。それが何であるのかが「新しい課題」。次回作でその答えを見せてくれることを期待している。

※ おまけ 文中に入れられなかった感想。

ちびドラゴンは「リーダーの命令を聞かない」という設定が、全ドラゴンが新リーダーに連れ去られ、ヒックたちがバーグ島に帰る手段が無くなった時のアンサーとして機能していたのはよかった。子供ドラゴンの話をすることで母親がヒックの子供時代を思い出しているのだろうな、というのと単純に微笑ましい話題だったので、伏線として完全に隠れていた。

何度も失敗していたヒックの単独飛行とトゥースとの連携行動が、母親からのアドバイスによる背びれの動きで解決し、最後の決め手になるのもよかった。王道と言えば王道なんだけど、劇中でなんども失敗していたことが最後の最後で成功するのはやはり気持ちいい。
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